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制御不能 ~lost control~ 番外編1前編 【burst out】

「うわ、眩し。」

照りつける陽の明るさに思わず目を瞑ってしまった。

あ~あ、この先どうしよう・・・・・・。

政府から逃げちゃったし戻れないなぁ・・・・・・。

だいたい私はなんで追いかけられたんだろう。

とにかく、人を探そう。できたら親切な人がいいなぁ。

そんなことを思いながら目の前に優しい人がいることを微かに期待しつつ私は目を開けた。

と思ったけどやっぱりやめた。

だって半分ほど目を開けたところで変なのがいたんだもん。

「もしも~し?」

(変なのが喋ってるー)

やばいやばい。もうだめだ。変なのに絡まれた!私の人生は終わってしまう。こんなところで。

だって、だってあいつオオカミだもん!

ダメでしょ。オオカミの格好をした人だもん!変態だー!!!

「もしも~し?聞こえてますかー?」

私は必至で聞こえない見えないフリをして車に乗り込もうとした。

平常心、平常心。

そしてシートに腰掛ける。今日も素晴らしい座り心地だなぁ・・・・・・。

(なんかいるー)

さっきのオオカミじゃないか。車に乗り込んできた。どうすんのこれ。まずいよ。

「すみませんいきなり。私オオカミと申します。」

聞いてもいないのに自己紹介してきた。

「そんなこと見りゃわかるわボケェ!」

拳を込めて放つ一言。オオカミにクリーンヒット!!!

ヤバいよ。どう見ても変態だよ。頭おかしいこいつ。

「ちょっといきなりなんですか? ひどいじゃないですかー」

「いきなりなのはそっちの方だ!さっさと出ていけ!」

「まぁまぁ、話だけでも聞いてくださいよー」

いきなり殴ってしまったのは確かにひどいことだった。反省も込めて話だけは聞くことにした。

「君、いい車に乗ってるね!坂下るとこまで載せてほしいんだ!」

どう考えても坂下っただけじゃ帰らないだろ、こいつ。

しかし殴ってしまったのは悪いことなので謝罪の意味を込めて車を動かす。

 

ドロドロドロドロ

 

アメリカ製のV8エンジンが唸る。オオカミも唸る。

 

ウゥゥゥウゥゥゥウウゥウウ

 

オオカミはチラチラと数秒おきに私を見る。

正直、うるさい。うざい。というか、超怖いんですけど・・・・・・。

この状況で襲われたら抵抗のしようがないし、相手は着ぐるみだし。

どうやってこの状況から逃げ出そうか考えて進むこと2kmほどのことであった。

 

ボンッ

 

屋根から嫌な音が聞こえる。

 

ボンボン ボンボン

 

明らかにノックをしている音だ。

もうやだこいつら。フロントガラスに、ゴリラ。

「ウホッ♀いい女♀」

私は黙ってスロットルを全開にする。

タイヤは猛烈なスキール音を放つ。素晴らしい。

 

ウホウホウホウホ♀

 

ゴリラもスキール音を放つ。猛烈にうざい。

 

「ああああああああ何なんだよこいつら!さっさと降りろ!」

私はもう我慢できなくなっていた。元から短気だとは自覚してたんだけど、こんな状況になったら誰だってキレるに違いない。

 そう自分に言い聞かせて道を進む

心なしか目の前が暗くなったような?

 

「鷹です」

 

よく見ると窓から大きな鳥の姿が見えるんだよなぁ。

どう見てもこれも着ぐるみなんだけど・・・・・・。

もうやだこいつら。

 

後編へ続く